CHAPTER 11

実践設計例

売上・在庫・営業メモを組み合わせたAgent設計

11-1. 実践シナリオ

卸売企業の営業・在庫分析Agentを想定します。ハンズオン環境は使わず、サンプル数値で処理のイメージを追います。

データ内容
売上日付、顧客、商品、数量、売上金額、原価
在庫商品、在庫数量、在庫金額、欠品率
顧客顧客属性、地域、担当営業
営業メモ商談内容、競合、顧客要望

11-2. Agent構成

flowchart TD U[営業担当] --> C[CoWork] C --> A[Sales Insight Agent] A --> PBI[Power BI MCP
売上KPI] A --> CA[Cortex Analyst
在庫・顧客] A --> CS[Cortex Search
営業メモ] PBI --> R[回答統合] CA --> R CS --> R

11-3. 質問例1:売上

「7月の売上は前年同月と比べてどう?」

Power BIを売上KPIの正定義とする場合、AgentはPower BI Semantic ModelのMeasureを優先します。

指標2025年7月2026年7月前年比
売上金額1.20億円1.10億円-8.3%

11-4. 質問例2:原因分析

「何が原因?」

Agentは追加分析として商品別・地域別・顧客別へ掘り下げます。

分析軸主な結果
商品商品A:-1,200万円
地域関東:-900万円
顧客A社・B社・C社の3社で-700万円

11-5. 質問例3:営業メモも確認

「A社・B社・C社で何か共通した話が出ている?」

Cortex Searchで営業メモを検索した結果、3社中2社で競合商品の値引き提案に関する記録があった、とします。

最終回答イメージ

7月売上は前年同月比8.3%減です。主因は商品Aで、関東の主要3顧客の減少が大きく影響しています。営業メモでは3社中2社で競合の値引き提案が確認されています。まず対象3社へのヒアリングと商品Aの価格・提案条件の確認を推奨します。

11-6. この設計で重要なこと

11-7. 最初のPoCでは質問を20~50問に絞る

初期PoCでは「何でも答える」より、実業務で価値が高い質問を選びます。

例
1. 今月売上は前年比どうか
2. 売上減少の主因は何か
3. 粗利率が低い商品TOP10
4. 欠品率が高い商品
5. 主要顧客の購入変化
6. 顧客の最近の要望
7. 次回提案候補
...

この章で理解したこと

  • Agentは複数データソースを役割分担して使う
  • 正しい数値の取得元を決めておく
  • 数値分析と文書検索を組み合わせると業務価値が高まる
  • PoCでは質問範囲を絞って評価する
← 第10章へ 目次へ戻る 第12章へ →