CHAPTER 10

AI回答精度を高める設計テクニック

本番品質へ近づけるための具体的な改善方法

10-1. AI精度は「モデルの頭の良さ」だけで決まらない

CoWorkの品質は、LLMモデルだけではなく、データ・Semantic Layer・Tool設計・Instructions・評価方法の総合結果です。

flowchart TD Q[回答品質] D[データ品質] S[Semantic設計] T[Tool設計] I[Instructions] E[Evaluation] D --> Q S --> Q T --> Q I --> Q E --> Q

10-2. テクニック1:質問領域を絞る

「全社のあらゆる質問に答えるAgent」を最初から作ると、どのデータ・ツールを使うべきか曖昧になります。まず営業、在庫、サポートなど領域を限定します。

10-3. テクニック2:Semantic Viewを説明的にする

10-4. テクニック3:Verified Queryを育てる

頻出質問と正解SQLをVQRへ蓄積します。

優先して登録する質問
1. 月次・週次会議で必ず聞かれる質問
2. KPIに関する質問
3. 過去に誤答した質問
4. 複雑な期間比較
5. JOINや除外条件が複雑な質問

10-5. テクニック4:Tool Descriptionを具体的にする

AgentはTool Descriptionを参考にツール選択します。

悪い例良い例
「売上データ」「商品・顧客・地域別の売上、数量、粗利、前年比を分析する。財務会計売上には使用しない」

10-6. テクニック5:Instructionsに優先順位を書く

例
- 売上・粗利・前年比の質問は Power BI Semantic Model を優先する。
- 在庫数量・在庫金額は Snowflake Semantic View を使用する。
- 社内規程は Cortex Search の原文を根拠に回答する。
- 数値を推測しない。不明な場合は不明と回答する。

10-7. テクニック6:Literal値を補助する

商品名・顧客名・地域などで曖昧一致が必要な場合、Sample ValuesやCortex Search連携を使って実データの値を特定しやすくします。

10-8. テクニック7:Cortex SearchのChunkとMetadataを改善

10-9. テクニック8:回答に根拠を要求する

「答えだけ」ではなく、使用した期間・指標・資料・比較対象を回答に含めるようにします。

正解率だけでなく「なぜその答えになったかを人が検証できること」を品質要件に含めます。

10-10. テクニック9:評価セットを作る

評価項目
SQL Correctness期待SQLと意味的に一致するか
数値一致Power BIの正解値と一致するか
Tool Routing適切なToolを選んだか
根拠参照した資料・条件を説明できるか
再現性同じ質問で大きくぶれないか

10-11. テクニック10:誤答を資産化する

flowchart LR U[誤答] --> C[原因分類] C --> S[Semantic修正] C --> V[VQR追加] C --> I[Instructions修正] C --> D[データ修正] S --> T[再テスト] V --> T I --> T D --> T

誤答を「AIだから仕方ない」で終わらせず、修正パターンを蓄積することで精度を継続的に高めます。

10-12. 精度改善の優先順位

  1. 正しいデータ
  2. 正しいMetric・Relationship
  3. 適切なTool Routing
  4. Verified Query
  5. Instructions
  6. 評価と改善運用

プロンプトだけで全問題を解決しようとしないことが重要です。

この章で理解したこと

  • 精度はデータ・Semantic・Tool・Instructions・評価の総合力
  • VQRとTool Descriptionは実務上非常に重要
  • Power BIとの数値一致は評価セットに入れる
  • 誤答を改善資産へ変換する
← 第9章へ 目次へ戻る 第11章へ →