CHAPTER 06

Cortex Search構築

非構造化データを高精度に検索するための設計

6-1. Cortex Searchとは

Cortex Searchは、文書・FAQ・議事録・契約・会話ログなどの非構造化テキストから関連情報を検索するための機能です。Cortex Agentのツールとして接続できます。

flowchart LR Q[質問] --> A[Cortex Agent] A --> CS[Cortex Search] CS --> D[文書コーパス] D --> CS --> A --> R[回答]

6-2. 何を入れると効果が出るか

データ質問例
社内規程「出張費の上限はいくら?」
製品マニュアル「エラーE101の対処方法は?」
営業議事録「A社が最近懸念している点は?」
サポート履歴「商品Aで最近多い問い合わせは?」
契約書「解約条件を確認して」

6-3. 検索用データ設計

PDFファイルを置くだけで終わりではなく、検索しやすい形にテキスト化・分割・メタデータ付与する設計が重要です。

DOCUMENT_ID
TITLE
CATEGORY
PRODUCT
UPDATED_AT
CHUNK_TEXT   ← 検索対象本文
SOURCE_URL

6-4. Chunkの考え方

文書全体を巨大な1レコードにすると、必要箇所を検索しにくくなります。一方、細かすぎる分割は文脈を失います。

flowchart LR P[100ページPDF] --> C1[章・節単位へ分割] C1 --> C2[意味が通るChunk] C2 --> S[Cortex Search]
実務テクニック:まず「見出し+本文」が1つの意味単位になるように分割し、検索結果を評価しながら調整します。

6-5. Metadata Filter

検索精度はベクトル類似度だけでなく、商品・年度・部門などのメタデータで絞り込むと改善します。

「2026年度の営業規程だけを検索」「商品Aのサポート履歴だけを検索」

6-6. Direct Retrievalと回答生成

用途によっては、LLMに要約させるより検索結果をそのまま示した方が安全です。特に契約や規程では「該当箇所を検索して根拠を提示する」設計が有効です。

6-7. Analytical Search

2026年6月時点でAnalytical SearchはPublic Previewとして提供されています。通常のRAGが少数の関連文書を取り出すのに対し、大量文書全体に対する件数・集計・傾向分析を支援する機能です。

「2025年と2026年で、クレーム理由の傾向はどう変わった?」
Preview機能は仕様変更の可能性があります。本番採用時は最新のSnowflakeドキュメントと利用条件を確認してください。

6-8. Jira・Confluence・Salesforceなどとの関係

Snowflake側へデータを取り込んでCortex Searchで検索する方法に加え、Cortex AgentsのMCP Connectorを使って外部MCPサーバーを利用する構成もあります。どちらを選ぶかは、鮮度・権限・監査・コストで判断します。

方式メリット注意点
Snowflakeへ取り込み検索・権限・分析をSnowflake側で統合しやすい同期処理が必要
MCPで直接参照外部システムの最新情報を使いやすい認証・ネットワーク・外部送信を要確認

この章で理解したこと

  • Cortex Searchは非構造化データの検索レイヤー
  • Chunk・Metadata・検索対象列の設計が精度に影響する
  • 規程・契約では根拠提示を重視する
  • 大量文書の集計にはAnalytical Searchも選択肢
  • 外部MCPとの直接連携とSnowflake取り込みを使い分ける
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